毎ブラ375:大会第8日(準決勝)

 2試合ともヒヤヒヤものの準決勝だった。私の勝手な都合によるものだが、8年前のセンチメンタルジャーニー的には、やはりブラジル×アルゼンチンの決勝を見たいのである。ところがアルゼンチンはスペインと0-0のドロー。後半は12分という早い時間帯に第2PKを与えてしまい、それは外れたものの、「終わるまでに何本蹴られるんだよ」と、フェンスの外からつっこまざるを得なかった。あと1本で済んだけど。なんとかPK戦でアルゼンチンが決勝進出。

 一方のブラジルも、前半の早い時間帯に中国に先制された。ブラジルが先制されるのを見たのは、それこそ8年前の決勝(そのまま0-1でアルゼンチンに負けた)以来ではないかと思う。

 しかし、1点を追う展開になったからこそ、「本気のブラジル」の凄まじさを見られたのかもしれない。いや、「本気のリカルド」というべきか。相棒のジェフェルソンは、今大会、調子が悪いのか伸び悩んでいるのかわからないが、4年前に初めて見たときほどの驚きがない。だがリカルドは、以前よりも大幅な進歩を遂げた。ドリブルの異様なまでの緩急の差と、シュートの威力。そこに、強いキャプテンシーまで加わっている。

 後半、まずはFKで強引に壁をぶち抜いて同点。逆転弾は、サイドフェンス近くの6メートル地点あたりから、いったんガイドラインあたりまで下がり、まるでジェットコースターが猛然と落下していくかのような勢いで加速してから放ったキャノンボールシュートだった。

 しかし中国も粘り、体調不良でベンチを温めていた7番ユー・ユータンを終盤に投入。終了間際にはフリーでシュートを放ち、スタンドを沸かせた。今大会のベストゲームというより、私がこれまで見た中でも最高級の試合。おれはこれを見るまでに8年かかったんだから、初めてのスタンド観戦でこれに出会った人は、マジで幸運ですぜ。
by deepriver1964 | 2014-11-24 01:40