毎ブラ167:目を閉じてみると

(前回からのつづき)…うーむ、と唸りつつ、ひとつ思い出したことがある。誰でも一度はやってみることだと思うけど、私も以前、ブラインドサッカーを「目をつぶって観戦する」を何度かやった。まあ、そりゃあ、何が何だかわかりませんよ。あまりのわからなさに、どうしてもすぐ目を開けてしまう。

 一番わからないのは、距離感だろう。前にもどこかで書いたと思うが、代表合宿のときに、前線のサイドフェンス際に張り付いている佐々木ヤスさんのすぐ横で、目をつぶってみたことがあった。ポジションを下げてボールを取りに行くかどうかを、どうやって判断しているのか知りたかったからだ。

 で、目をつぶると、ボールがヤスさんから遠いのか近いのか、よくわからない。どちらかというと、常に「近い」ように感じる。なんかもう、3歩から5歩ぐらいで行けるぐらい近所な感じだ。で、「オレだったら、これ、ボール取りに行くよな」と思ったところで、目を開ける。しかしヤスさんは、最初のポジションから微動だにしていない。ボールも、はるか彼方の自陣にあった。判断は、ヤスさんが正解である。ヤスさんすげーな、と思いました。

 というわけなので、「音だけだと距離感がどえらく把握しにくい」ということは、経験的に知っておくといいかもしれない。目をつぶってトラップの練習をしてみたときも、徐々に距離が縮まっていくようには感じず、なんか急に足下に届くように感じた。人によって違うかもしれないけど、「どんな風にみるか」を知りたかったら、まず「どんな風に聞こえるか」を感じてみてはいかがでしょうか。
by deepriver1964 | 2014-04-29 22:11