毎ブラ2-027:スペイン遠征

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 明日、ブラインドサッカー日本代表チームはスペイン遠征に旅立つ。念のため申し上げておくが私は旅立たない。旅立ちたいが旅立てる状況ではない。くやしい。

 それにしても、魚住監督が就任してから何度目の強化遠征だろう。若い関係者の中にはこれを当たり前のように受け止めている人もいるかもしれないが、風祭監督の時代には、公式戦以外での海外遠征などなかった。それが何度も行われるようになったのも、「総力戦」の一端だと私は理解している。

 ところで、パラ予選前のスペイン戦といえば、やはり8年前を思い出さずにいられない。韓国でのアジア選手権を控えた2007年8月、ブラジルで開催されたIBSAワールドゲームスでスペインと対戦した日本は、落合(写真左)のバースデーゴールで1-0の勝利を収めた。風祭前監督に「在任中でいちばん嬉しかった試合は何ですか」と質問したときに挙げられたのがこの試合だ。

 この大会では3位決定戦でもスペインと再戦して0-0。PK戦で負けたものの、パラ予選に向けてチームは大きな自信を得たのだった。私も、スペインと互角以上の戦いのできるチームが、アジアを突破できないとは思わなかった。だが、アジア選手権ではまさかの4位。この経験があるから、私はくどいほど「アジアをナメるな」的なことを言うのである。

 日本代表は昨年の世界選手権でパラグアイやドイツに勝ち、今年はコロンビアやトルコにも勝った。南米や欧州の上位国と試合をして、ふつうに勝てるようになったのは、ほんとうに凄いことだ。いま書いていても「ホントだよな?」と確認してしまうほどである。それぐらい日本チームは急成長を遂げた。

 でも、それはアジア2位以内を少しも保証してくれない。だから今回の遠征も、試合の勝敗はわりとどうでもいいのである。勝ったからといって安心できるわけではないし,負けたからといって不安になるわけでもない。アジア選手権用の戦術がスペインにどこまで通用するのか、あと1ヵ月で修正する点があるとしたらそれは何なのかを見極めるのが目的だろう。だからこそ「解説者」としては現地で試合を見ないとイカンわけで、それができないのがくやしいのである。

 また、この遠征は代表選考も兼ねていると聞く。参加する選手がこれまでの強化遠征より多いので、どの試合でどのように選手たちを起用するかも難しいところだろう。以前、協会からもらったニュースリリースによると、予定されているのは2試合。少ない試合で多くの選手を試さなければいけないのだから大変だ。もし現地から誰かが実況ツイートなどしてくれるなら、試合のスコアよりも選手交代の情報のほうが知りたいぐらいである。あるのかどうか知らないけど。実況ツイート。
by deepriver1964 | 2015-07-26 18:47