毎ブラ127:日本 0-3 ドイツ

 現地時間の朝7時にCERNホステルを出発して、パリ経由で日本時間の9時半に成田到着。荷物がなかなか出てこなかったりとか何だかんだあって、大宮行きのバスに乗ったのは11時すぎ。2時間程度で着く予定なので13時半のキックオフには余裕だと思いきや、三連休の初日で渋滞に巻き込まれたのが残念だった。フットメッセ大宮に到着したのは、13時50分ぐらいだっただろうか。「さいたま市 ノーマライゼーションカップ 2014」はすでに始まっており、ドイツが日本から先制点を奪っていた。見ていないからわからないけど、強風にたたられたアウェイ戦の序盤にPKをしっかりと決めるドイツ選手のメンタルは見上げたものだと思う。ボールが風で動いてしまいそうなので、プレイスキックはやりにくかったはずだ。

 欧州4位のドイツは想像以上に体格がデカく、想像以上に良いチームだった。幻冬舎plusのコラムで見所のひとつとして挙げた「ルーズボールへの反応」も早い。フランスやスペインのようなドリブルテクニックはないが、フィジカルの強さを活かして強引に突進するのは、ブラインドサッカーにおける典型的なヨーロピアンスタイルと言ってよいだろう。「足下の技術はなくても相手に強く早く体を寄せることができれば戦える」というブラインドサッカーの特徴を地で行くようなチームだった。

 そこに強力なアタッカーが1枚でもいれば、このサッカーでは結果を出すことができる。そしてドイツには、そんな選手もいた。6番のコフィ・オセイである。大きなガタイを活かした突進力と、落ち着いて状況を判断しながらボールをさばく余裕、そして強烈なシュート力を持ち合わせたストライカー。1試合だけではまだよくわからないけれど、また新たなスターに出会ったような気分になった。

 試合は、前半0-1。後半は、まず6分にゴール前の混戦からこぼれたルーズボールにいち早く足を伸ばしたアレクサンダー・ファングマンがGKの至近距離から決めて0-2。その後は日本もチャンスをいくつも作り、落合、佐々木、川村らが惜しいシュートを放ったものの、枠を外したりGK正面だったりして入らない。2つあった第2PKも川村と佐々木が決められなかった。

「まずいね、これ。もう1点取られたら、惨敗になってしまう」

 隣で見ていた知り合いに、そんなことを呟いたのを覚えている。もちろん、勝利も敗北もスコアだけで語れるものではないけれど、「勝ち」にこだわって臨んだホームゲームで0-3というスコアは、やはり「負けすぎ」だ。そして、その3点目を叩き込んだのがコフィ・オセイだった。

 ゴールほぼ正面、8メートルぐらいの距離だっただろうか。ボールを横に流してシュートコースをつくり、軸足を踏み込んで右足で強烈にジャストミート。日本の選手がやらなければいけないことを、彼にやられた感じだった。踏み込んだ軸足にボールが当たってしまうことも多い、難しいシュートだ。日本の選手もシュート練習ではかなり精度が上がってきたが、試合ではなかなか当たらない。今日も、完全に相手DFを振り切った大チャンスで、そのシュートをミスする姿が目立った。

 0-3。正直、ショッキングな敗戦だった。個々の技術に関しては、スコアほどの差はないのかもしれない。試合の序盤を見ていないのでわからないけど、決定的なチャンスもドイツと同じかそれ以上に多かったのかもしれない。でもね、私は今まで「結果は悪かったが互角の戦いだった」とか「負けたけどこれとこれは世界に通用した」とか、そんな記事を何度も何度も何度も書いてきたんですよね。もう、そういうのはあんまり書きたくないんです。だから、ゴメン、今日の試合は「惨敗」だったと言ってしまう。2007年、中国とイランと韓国から4試合で1点も取れずに終わったアジア選手権に次ぐぐらいのショックと危機感を得ました。

 まあ、それは私個人の主観にすぎない。今日の私は長い移動でひどく疲れていたので、実態以上にネガティブな印象を受けてしまったのかもしれない。あらためて動画を見れば、ぜんぜん違う印象になるのかもしれない。でも今日の大宮フットメッセでは、日本がドイツに蹴散らされているように見えてしまった。今日はほとんど選手や関係者の話を聞けなかったので、実際に戦った彼らがどんな感想を抱いているのかはわからない。メディアの囲み取材でのコメントが本音かどうかもわからないので、明日のフィアットカルチョで話ができる機会があれば、いろいろ聞いてみたいと思っております。暗いブログですみませんでした。

 
by deepriver1964 | 2014-03-21 23:07