毎ブラ126 : ドイツに追いつくぞ

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CERNのプレスツアーは、実に素晴らしいイベントだった。ヒッグス粒子を発見した加速器LHCのトンネル内(地下およそ100m)を見学できたのはもちろん得難い体験だったが、何より有意義だったのは、素粒子物理学の最前線で活躍する多くの研究者と出会い、話を聞き、少しお酒も飲むなどして交流できたことだ。

そう、私にとってそれは「取材」というより「交流」という印象のほうが強かった。たぶん、彼らから「自分たちの仕事の意義や面白さをわかってほしい」という願望や熱意を感じたからだと思う。メディア対応は彼らの本来の仕事ではないが、面倒臭そうに取材の相手をする人は1人もいなかった。みんな説明に工夫を凝らし、一生懸命に伝えようとしてくれる。「すぐには役に立つ技術に結びつかないが人類にとって有意義な研究」をしている彼らにとって、アウトリーチはきわめて重要な仕事なのだろう。CERN自体がそれに熱心で、たとえば「グローブ」という施設(上の写真)の1階には実に美しくデザインされた見学者向けの展示がある。アウトリーチに手を抜かない姿勢は素晴らしいし、そのお手伝いができるのは嬉しいことなので、こちらのモチベーションもますます高まりました。

で、これはべつに無理やり結びつけるわけではなく、ブラインドサッカーの取材で私が感じてきたのもそれと同じことなんだろうな、と思うのである。深く交流した選手や関係者から「知ってほしい」「理解してほしい」という気持ちを強く感じるから、こちらも本気になるわけですよね。

そんなわけなので、明日は気持ちを切り替えて、ブラインドサッカーを追いかけます。というか、すでに日本に来ているらしいドイツ代表チームを飛行機で追いかけるぞ。待ってろドイツ。つーか、俺が行くまでキックオフ待ってて〜。
by deepriver1964 | 2014-03-20 06:18