(追記)サイドフェンスのこと

 コンクリートと鉄(ブリキ?)で囲まれたフィールドで誰か怪我をしたという報告がなく、おそらく無事に終わったであろうことは幸いであったが、私が知りたいのは、金属製のフェンスに激突した日本選手がいたかどうかということである。

 というのも、これは2006年の世界選手権を見て感じたことなのだが、おそらく欧州や南米のブラインドサッカー関係者は、選手が衝突することを前提にしないでサイドフェンスを設置しているのではないかと私は思っている。アルゼンチン大会のサイドフェンスも鉄柱含みの固いもので、「これは怖いな」と思ったが、強豪国の選手たちはそこにほとんどぶつからない。たぶん、サイドフェンスは「ボールを外に出さないこと」および「ピッチのサイズを選手に教えること」を目的にしたものであって、「選手の体を受け止めるもの」ではないのであろう。

 もちろん、選手のことを考えれば、安全であるに越したことはない。日本のサイドフェンスも、選手がぶつかると少し動いて衝撃をやわらげるような配慮がなされている。しかし、もしかすると、欧州や南米の関係者にとってそれは「過保護」に感じられるかもしれない。そこまでは思わなくとも、試合中にフェンスが動いてしまい、係員が「よっこらしょ」と直したりしなきゃいけないことに、「タッチラインが動くっておかしいだろ」と不合理を感じる人はいそうな気がする。

 いずれにしろ、サイドフェンスに衝突して怪我をするのは「未熟な選手の自己責任」というのが実は国際常識なのではないかと私はにらんでいるのだが、どうだろうか。もしそうだとすれば、日本国内の試合で、観客が顔をそむけるような勢いでフェンスに激突している場合ではない。代表クラスの選手でもまだそれは散見されるが、国際試合では現実に今回のようなサイドフェンスがあり得るわけなので、「壁にぶつからずにプレイする」を重要な課題のひとつとして練習に励んでいただきたいと思うのでありました。
by deepriver1964 | 2013-12-07 12:54